こんにちわ。泊です。
突然ですが、
あなたのことをわかってもらえない時はありますか?
“自分”という人間を相手に理解してもらうことの難しさは、おそらく多くの人が一度は経験する大きな問題の1つだと思います。
ましてや、「高次脳機能障がい」という、世の中での認知度が非常に低い障がいを持つ方にとって、その大きな問題はより一層深刻です。
わたしも、「周りの人に理解されない・・・」という個人的な悩みを人知れず打ち明ける多くの患者さんに出会ってきました。
どんな病気もその人にしか分からない苦しさがあり、その苦労を周りの人にわかってもらえない別の苦しさがあるのではないでしょうか。特に、高次脳機能障がいは、すべて外からは見えない頭の中で起こっているし、個々の症状が千差万別であることから、“想像すること” も非常に、とてつもなく難しいと・・・。
“想像するのが難しい障がい”であると同時に、“周囲からの理解を最も必要とする障がい”でもある・・・と考えると、その苦労は計り知れません。
相手に理解してもらえることは、“至難の業“なのかも・・・。
高次脳機能障害でわかってもらえないこと その対処法
3月の『えん』のテーマは、
『高次脳機能障害でわかってもらえないこと、その対処法』でした。
参加メンバーからのコメントでは、
- 言葉が不自由。障害者施設では理解してくれる。
- 自分のことが伝わらない。伝わっているのか分からない。
- 発症間もない時は、電話が苦手だった。自分から「ゆっくり言うから待って」と相手に自分の症状を説明した。
- PCが使えなくなったが、困りごとは周りの方が助けてくれる。数字を書く時に、間違えてしまう。
- 自分の思うようにならないことがある。自分が被害者のはずなのに、自分の記憶障害を理由され、加害者にされたかのようなことがあった。仕事上では、やりたいことを制限される。
- 失語症により、言い間違いに自分では気がついていなかった。性格が変わったと捉えられていたが、高次脳機能障害だと原因がわかるまでに時間がかかった。原因がわかって、自分は嬉しかったが、高次脳機能障害が周りからは理解されなかった。理解を示してくれる人には、少しずつ説明をするようにした。
などが挙がっていました。
高次脳機能障がいの人が、自分の能力を十分に発揮し、自分らしく自らの人生を送るためには、周囲の理解が必要不可欠です。がんや糖尿病、心疾患の人が職場で無理なく働けることと同じように、高次脳機能障がいの人が社会で活躍できる世の中になる為には、高次脳機能障がいの人への理解を深めるきっかけづくりを増やしていくことが必要だと感じます。耳を傾けてくれる人は必ずいると信じ、諦めないことが重要なのですね。全員に理解してもらうのは難しくても、発信し続けることで、何かが少しずつ変わることもあると思います。
また、障がいを持っても、自分らしく生きられるかどうか・・・それは、毎日、自分がどんな人間として生きるか、他者とどのような関係を築けるのか、によって決定づけられる、と感じさせてもらった回でした。
今回も多くの“刺激”と“気づき”をいただきました。
うれしかったです。
ありがとうございました!
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